鬱病にもさまざまな段階があるのですが、薬物治療をはじめると「ありえないほどの眠気」に襲われることが多々あります。ひたすら眠い、またはひたすら眠りつづける。身体が鉛のように重くて、朝が起きられない。自分でも驚くくらい意識を失うように眠りに落ち、ウトウトしながらも起き上がれたのは夕方5時…など、びっくりするほど眠いのです。この記事では理由と思われる3つのこと、そしてそれが回復の兆しとなる理由をまとめました。
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うつ病患者にあらわれる、こんな症状
「こころの病気」として知られているうつ病ですが、患うと身体にも色々な症状があらわれてきます。たとえば、こういった症状ですね。
- 疲労・倦怠感 (カラダが鉛のように重い)
- 食欲がなくなる
- 便秘または下痢
- 頭痛や吐き気
- カラダの痛みや痺れ
- 口が渇く
- 月経異常
「ひたすら眠い、または寝る」というのは、このなかの「疲労・倦怠感」に強く結びついているものだとおもわれます。具体的になぜそんなことが起こるのか、次のパラグラフからみていきましょう。
原因① うつ病の症状である、疲労感・倦怠感のため
疲れや倦怠感は、うつ病患者の半数以上 (54~92%) にあらわれるといいます。
- 疲れがとれない
- カラダがだるい
- 鉛のようにカラダが重い
- びっくりするほど動けない
頑張りすぎて心身のバランスがとれないからこそ、病気を患ったわけなので、わたしはこれを「カラダが休みをうったえているのだ」と捉えています。
そうでないとまたムリして、もっとひどいことになりかねないから、「頼むから休んで」と身体が機能を無理やりシャットダウンさせているのではないか、と。そう思うと争わず「いまはいっぱい寝よう」という気持ちにもなってきませんか。
原因② 昼夜逆転による、睡眠不足
自分の場合、いちばん気持ちがラクなのって夜なのです。なぜならその時間って世の中の人々の動きが止まる時間だから。
- 思うように動けず
- ガムシャラに頑張っている (前に進んでいく) ひとを見るのが辛く、
- とくになにもできない自分に罪悪感をかんじる
ので、昼間より落ち着くといいますか、それにみんなが休んでいるという意味でも、夜のほうが何かと罪悪感がないのですね。なので何をするわけでもなく起きていて、明け方に眠りにつくということもしばしば。そのため慢性的な睡眠不足になり、ある一定の期間「眠り続ける」ということもあります。でも争わないのは結局そのほうがらくなんですよね。
今の状態で「昼間ちゃんとしなさい」と言われても、こんなふうに、
普通にしていることがまず辛いので。その辛い時間を避けるために、無意識に「どうせなら寝ていたい」という思いがある気がします。ちなみに昼夜逆転は一定期間たち、よくなってくると自然に元どおりになっていくという観察結果も出ているそうです。なので過剰に心配せず、寝たいときに思いっきり寝て、いっぱい休むことは「よくなるための一歩」なのかもしれませんね。
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原因③ 抗不安剤の副作用 (リラックスできている証拠)
またうつ病特有の不安感を抑えるために、抗不安薬、精神安定剤を処方された場合、副作用として眠気をともなうことがあります。抗不安薬は筋肉の緊張からくる肩こりなどを改善するはたらきもあり、この筋弛緩作用が強く出てしまうと、脱力感やふらつきの原因にもなったりするのですね。(かんたんにいうと、身体から力が抜けて眠くなるということですね)
また「こういった不安な感情をぼーっとさせることで、薄くする」といった薬でもあるので、薬の副作用で物理的に「ひたすら眠い」という症状が起きることもあるんですね。よく眠れるというのは、言い換えればリラックスできているということでもあります。
かくいうわたしも治療の初期は不安な感情に支配されてうなされたり、ほとんど眠れず..といった感じでしたから「リラックスできること、ひたすら眠れることも回復へのステップ」だと捉えて、ひたすら寝ることもいいんじゃないかなといまはおもっています。(実際揺り戻しはあれどよくなっているので、仕事などに支障がでなければ…)
まとめ
というわけで「鬱病になりひたすら眠い、寝る」の原因と思われる3つのこと
- うつ病の症状である、疲労感・倦怠感のため
- 昼夜逆転による、睡眠不足 (生活リズムがずれるため)
- 治療薬の副作用 (抗不安剤など)
でした。しかし「ひたすら寝る」のは回復には必要なようで、逆に「眠れない」ほうが心配するべきだとか…。カウンセリングなどで心の整理や、がんばらない方法なども覚えつつ、だから「ぐっすり眠って、カラダを休めてあげることも治療のひとつ」だと考えて、いまは思いっきり休むというのも必要なステップなのかもしれませんね。
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あとがきにかえて
『漫画 ツレが鬱になりまして』のなかで、鬱になった旦那さんが
- 緊張状態から一転して「眠り王子になった」
- ゴミ捨て場の前で「自分なんかより、ゴミのほうがまだ役に立つんじゃ」と座り込む
といった云々のエピソードを読みながら、あまり理解できずにいたのですが。実際に自分がかかると、似たようなことが次々と起きて驚いています。(ゴミが会社にいったほうがまだいいんじゃって私もおもいましたよ..)
特にひどいのは天気が悪い日ですね。太陽に当たると「幸せホルモンセロトニン」が分泌されるそうですが、曇りの日はそれがないからか。重力に逆らえずほんとに地面にベターっとなって、起き上がれないんですね。なんとかまたご飯を食べて、スライムのように地面にべたりと。
ただそんな自分を責めても結果は苦しくなるだけでかわらんので、「今は休む時間」と割り切って思いっきり眠る。ご家族の方はどうか「これも回復のひとつステップ」だと受け取っていただけたらとても嬉しいです。(いつまでも続くものではない..はず..なので…) きっと生命を維持するために「こういう時は休め」と遺伝子に組み込まれてるんでしょうね。日々葛藤しながらも「生命ってすげえ」とときに冷静になったりもするのでした。
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