室井摩耶子さんがピアノを続ける理由 | 世界最高齢のピアニスト

世界最高齢のピアニスト 室井摩耶子さん世界で活躍し続ける人たち

あの千住真理子さんが最も尊敬する人こそが、大正10年生まれ世界最高齢のピアニスト99歳の室井摩耶子(むろいまやこ)さんです。今日はパワー漲る室井さんの名言とともに、世界最高齢のピアニストとは何者かをまとめていきます。

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室井摩耶子(むろいまやこ)さんとは

(https://diskunion.net/classic/より引用)

1921(大正10)年東京生まれで、6歳よりピアノを始めた室井さん。東京藝術大学(旧・東京音楽学校)を首席で卒業し研究科へ進みます。1945年には日比谷公会堂でNHK交響楽団 (旧・日本交響楽団)でソリストとしてデビュー。1956年、「モーツァルト生誕200年記念祭」の日本代表としてウィーンへ。同年、第1回ドイツ政府給費留学生に推挙され、ベルリン音楽大学に留学。1960年、ヨーロッパデビュー。以後は海外を拠点に13か国でリサイタルを重ね、1964年にはドイツで出版された『世界150人のピアニスト』に選ばれました。

2013年にはご自身の著書「わがままだって、いいじゃない。―92歳のピアニスト「今日」を生きる」を出版され、毎日、何かを学ぶのが楽しくて、引退を考えたことがない、という前向きな姿勢に日本中の多くのひとが力づけられました楽しくて仕方ないといった姿勢は、ピアノや、文章だけでなくうつくしい笑顔や雰囲気からも伝わってくる素敵な女性です。

 

室井さんが、モーツァルト・ベートーヴェンと向き合った欧州生活

かつてベビシュタイン(カール・ベヒシュタインによって1853年に創業されたドイツのピアノ製造会社で)のピアノを持っていたという室井さん。艶やかな音色が特徴のベビシュタインを気に入って使っていたようです。「モーツァルト生誕200年記念祭」の日本代表として演奏することになった室井さん、その頃はピアノが上手いってなんだろうと悶々と考えていたそうです。「モーツァルトとか、ヴェートーベンは200年前ということ。それをわかれというのは、源氏物語の時代の言葉で物を言えといっているようなものだ」と自分なりに結論づけたそうです。

当時は36歳で海外渡航も珍しかった時代、「やった」という思いで渡欧した室井さん(明るい室井さんらしいですね)。ウィーンで聞いたモーツァルトは、「こういうものだ」と心に沁みて沁みて、涙が止まらなかったといいます。そこでモーツァルトとベートーヴェンを必死で勉強したそうです。

 

室井摩耶子さんの演奏動画「ベートーヴェン ピアノソナタ月光」

お気に入りのベビシュタインの思い出とともに、美しく奏でられる月光昔のベビシュタインと、今のベビシュタインの違いが、室井さんの演奏で弾き比べを楽しめるなんて夢のようです。

随分音色はちがいますがどちらも違った美しさがあります。ちなみに長いこと弾いていたからか、室井さんは昔のベビシュタインに愛着があるそうです。

 

室井さんが、ピアニストを続ける理由

天才どもの哲学を読み取って、人に聞かせなきゃいけない。

わたしはそれを、次の世代へ伝えなくてはいけない。

(2019 5/27 1分間の深イイ話し 室井摩耶子より引用)

これこそが室井さんがピアノを弾き続ける理由であり、千住真理子さんが室井さんを尊敬する理由でもありました。千住さんはこれをまた違う言葉で、「ストラディバリウスがこれを作ったときに思い描いた最高の音を、わたしは死ぬまでに出したい」とおっしゃられていました。こういった背景を聞いてからお2人の音楽を聞くと、今聞いている音のなかには、たんに音楽というだけでなく、奥深く数百年前に遡る歴史が詰まっているのだなとまた新たな見方がうまれてくる気がします。

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あとがきにかえて

 

歴史を伝えるのは、けして文字だけではないんですね。何百年も前の偉大な音楽家達が楽譜に記した音の数々、それが人種も言葉も関係なく全てのひとに同じ音を思い描かせる。正確にリズムや強弱まで記された楽譜、それを今の私たちが手に取ることが出来るのもひとつの奇跡なのかもしれません。そして室井さんがそうして磨き続けられている音を、ピアノをこうして聞けることもまた幸せなことだなとおもいました。

参考サイト

 

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