親の勧めで始めたものの「辞めたい」と思う瞬間もありますよね。自身も親の教育方針のいっかんで幼稚園からはじめ約10年続けたものの、「ショパンのバラード第一番」「ベートーヴェンの悲愴」が限界値。「木枯らしのエチュード」などテクニックが必要になるものまでは弾けず、半ば投げ出すように辞めてしまいました。
でも大人になって「あのまま続けていたら」と何度も思うことがあったのです。そこで今日は、「ピアノをやめたいと思ったときに知っておきたかったこと」をまとめました。当たり前にあるレッスンを、また違った角度からみるきっかけとなれば幸いです。
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なぜそんなにピアノの練習が嫌いだったのか
いまは大好きなピアノ、なぜ子供の頃はあんなにピアノが嫌いだったのか。週2回1時間ずつのレッスンだけど、練習は前日に30分だけ。「時計ばっかり見ている」といわれるほどレッスン中も家に帰りたい子供でした。
① 手が小さいので、物理的に弾きにくい
思ったことが、思うように出来ないって、凄くもどかしいですよね。私の場合、手が小さくて、オクターブが本当にギリギリ届くくらいだったんです。大ホールで弾くような曲は、欧米で作られておりオクターブが届くのが当たり前なので、平気でそれを超える箇所が出てくるんですね。
弾きたくても物理的に届かないものは弾けないのです。言い訳にしたくはないですが(おそらく考慮してもらっていただろう)課題曲でもきつかった。無理やり手を広げていたので、小指は今でも変形しています。
② 譜読みにめちゃくちゃ時間がかかる(#と♭があると絶望的に)
練習不足でしょうが、曲の難易度が上がるほど譜読みが難しいんですね。一曲を弾けるようになるまで、一小節ずつ、身体と頭にインプットしていくのが苦痛でした。大人になった今では、ドレミとカタカナで書き足したり、シャープとフラットにマーキングしたり工夫しないと頭に入っていきません。
譜面通りに弾けば、絶対に綺麗な曲になるのに….
その手前の面倒臭さに囚われていたのです。
③ そもそも、曲の美しさに気付けていなかった
先生からテープを貰っても、音源はほぼ聞いていませんでした。それでは曲の良さはおろか、ほぼなにもわからないのです。音源を聞くことの大切さに気付いたのは、アニメ『のだめカンタービレ』を見たときです。
それはピアノを通じて主人公のだめが成長していく物語。途中フランスの音大に留学し、一流のピアニスト ウクレール先生クラスを受けたのだめ。留学しても、相変わらず自由に楽譜を無視して弾き続けていました。そして意見がぶつかる先生に「じゃあまず私の曲を弾いてくださいよ」と弾かせたものの、「そこは違う、そこはこうです」と口を出しする始末。それに対してウクレール先生が返した言葉がこちらです。
君がそうやって言いたいことがいっぱいあるように、他の作曲家だって言いたいことはいっぱいあるのにね。君はそれを本能的に感覚的にしか捉えない。べえべちゃん、でも君がコンクールで弾いたシューベルトのソナタはとてもよかったよ。(シャルル・ウクレール)
そもそも私は「言われたことをやる」ことに必死で、曲の意味とか、美しさとかには全くこだわっていなかった。表面的で薄い練習をしていたから、つまらなかったのです。
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それでも身についたもの3つ
頭と身体が紐づく感じが、いつもどこかに
考えたことを別の手段で表現することが得意なのは、ピアノを習っていたおかげだと思います。昔暗譜した曲は、いま何も考えなくても手が動くのです。それは脳だけでなく、身体が覚えているからだとおもいます。(もっといろんな曲暗譜しておけばよかったかも)
大好きな曲を自分で弾けるのは、最高のストレス解消
子供の頃に基礎を身につけたおかげで、どんな曲でも独学で弾けるようになりました。自分で弾くと音楽への没頭感が増します、その世界に入り込んだイメージでしょうか。CDを聞くのと、自分で弾くのでは全くと言っていいほど気持ちの入りが変わってくるのです。嫌なことがあったときは無心でピアノを弾き続ける、気持ちのコントロールが音楽で出来るのはとても幸せなことです。
手元を見なくても、大体のことができるように
小さい頃からピアノで手をたくさん動かし、右手、左手を使い分けてきたからでしょうか。ブラインドタッチはかなりのレベル、それだけでなく文字を書くことも、そのほかだいたいの事は手元を見なくても感覚で出来るようになりました。思わぬ副産物ですね。
ピアノあわないかも、と思う方へ伝えたいこと
私はピアノがどれだけ楽しいか、をわかる前にやめてしまったのだと思います。もっと譜読みをちゃんとしたら、音源を聴いていたら、作曲家の意図を考えていたら、私のピアノももう少し上達したのかも。となると、上達に必要な才能は、「どれだけピアノを愛せるか」ということではないでしょうか。
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まとめ
私がピアノをつまらないと思っていた理由は、
- 誰かにやらされている、と思っていたからであり、
- 上手になるために必要な才能は、ピアノが大好きなこと
中途半端は後々後悔することが多いです。日々のルーティン(決まったことをやる生活)から離れて、別の角度から見てみるとまた違った楽しさが見えてくるのかもしれません。ぜひぜひ、後悔ないよう、色々なことを試して、歩みを進めていってくださいね。
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